「血が出て幸せ」
眠れぬ森の住人たちは夜な夜な深夜のファミレスに集まってくる。
そのファミレスでは他人のウソを調理してメニューとして出している。
住人たちは自らの退屈を支払って他人のウソを消費する。
どこかしら狂った登場人物たちが噛み合わない会話を繰り広げるナンセンス世界の物語。
この世界でいう「ウソ」は「嘘」ではない。
現実に起きる残酷な出来事の数々はウソの格好のネタだ。
今日もここではないどこかで殺人だ、誘拐だ、戦争だ、災害だとせわしない。
幸せで退屈な住人たちはより刺激的なウソを求める。
酷くなる一方のネタが人々を貪欲にさせるのか?
貪欲な人々の渇いた欲望がネタより残酷にさせるのか?
世界が残酷でどうしようもない間は、人々は幸せで退屈だ。
作・演出 青木秀樹
東京公演 THEATER/TOPS
大阪公演 HEP HALL
2008年7月、8月上演
出演
森下亮
金沢涼恵
板倉チヒロ
奥田ワレタ
久保貫太郎
木村美月
渡邊とかげ
板橋薔薇之介
伊東沙保